2016年11月8日火曜日

睡眠について考えてみた (1)







「よく眠れていますか?と聞くと、「ベッドに入ったと思ったらすぐ朝がきます」という幸せなコメントもありますが、当院にいらっしゃる方は、腰痛・肩こりなどの不調とともに「朝、スッキリ目覚められない」「たっぷり寝てるのに疲労がとれている気がしない」「ベッドに入ってもなかなか寝付けない」いう不調を感じるという方も多いです。


私の場合、眠れないということはなく、逆に眠ってはいけない状況を保持出来ないタイプで、徹夜は無理。以前、朝の7時まで起きていた時、その後は倒れるように眠っていました。
一般的に、徹夜した次の日もたいていの人は普通に仕事をこなすことができるようで、私のまわりにも「ほんとに昨日寝てないの~?」って、驚くほど元気な人はたくさんいます。

睡眠時間はどれくらい?と聞くと、人によって1日5時間でいい人、あるいは8時間は必要な人など様々。人それぞれだからこそ、どんな睡眠がいいのか、良くないのか・・悩めば悩むほど眠れなくなりますね。


睡眠中は、脳や身体が順調に機能するために必要なことが、毎日せっせと繰り返し行われていますが、まだまだ解明されていないこともたくさんあるようです。
人生の1/3は眠っているのだから、眠っている間どんなことがおきているのか、知っておくことも大切かもしれません。




睡眠にはサイクルがあって、それを一晩に4~5回繰り返しながら、深い眠りから少しずつ浅い眠りへと移行し、朝をすっきりと迎えることができます。

~ 基本的な睡眠時の変化 ~


眠いな~って感じてベッドに入ると、すぐウトウトしてきます。まだ、まわりの状況は感じられる覚醒している段階(第一段階)。そして、すやすやと眠りに入っていきますが、まだ浅い眠りなので、物音で目が覚めることもあります(第二段階)。眠りに入ってから20分程で体温の低下や呼吸、心拍数が減少して、深い眠りへと入っていき(第三段階)、その後は外界から刺激を受けても簡単に目が覚めないくらいの一番深い眠りに入ります。(第4段階)
眠りのサイクルはここからも変化していきます。深い眠りに入ったあと、私たちは寝返りをうったり、姿勢を変える「体動」がおこり、また浅い眠りへと戻っていくのです。(第三→第二段階)

その体動がおさまると、今度はレム睡眠という夢をみている時間に移ります。




ここで、レム睡眠について・・

レム睡眠時の脳波はほぼ覚醒時と同じで、記憶の整理とともに、夢を見ながら喜びや不安や怒りを感じるなど、脳は活発に働いています。
この時、脳の中で視覚を担う後頭葉は起きているので、目は夢を見ながら何かを追ってキョロキョロ動いていますが(※Rapid Eye Movement=REM)、脳から脊髄にむかう運動中枢の命令がブロックされているため、身体を動かすことはできません。
しかも、レム睡眠時は自律神経の働きも最小限となり、体温や体内ガス濃度の調節もほとんど行われないとのことで、いよいよ危険ですよという時は目が覚めるらしいのです。

外界からの刺激にも体内環境にも反応しない・・レム睡眠時の脳は孤立状態で多大なエネルギーを消費しながら、頭の中の整理をしています。
レム睡眠時は夢をみる時間と安易に考えてたけど、私たちの生命に関わるとても重要な働きをしているのでしょう。もし、レム睡眠を妨げられた場合、イライラ感がつのったり、集中力が低下したりと、メンタルな部分で日常生活に大きく支障をきたしてくるそうです。







また、睡眠時の変化に戻ります。
レム睡眠がおわると体動が起こり、また、第一~第四段階へと波のように変化する睡眠。
入眠から1回目のレム睡眠に入るまでの時間は90分といわれていますが、この90分のサイクルを一晩で4~5回繰り返しているのです。そして、眠りが浅くなってきた朝のレム睡眠時に目が覚めるのが自然な流れです。



★朝すっきりと目覚められない方 睡眠サイクルを意識してみましょう


レム睡眠は、眠りから自然に目が覚める橋渡しの時間帯。朝起きるのがつらい方など、自分の睡眠サイクルを意識することで、スッキリの目覚めが得られるようになるかも。

例えば、深い眠りのタイミングに目覚まし時計で無理やり起きている人。その場合、まず起きるのがとてもつらいです。起きてからもぼーっとして動きも鈍く、胃腸も目覚めないので食欲もわかず・・の悪循環で、本来の元気スイッチがはいるまでに半日はかかるといいます。
ちなみに私は、早い時は9時半には眠り、朝は5時にすっきり目覚められていて、起きた瞬間は夢を覚えています。いい夢だと「続きを見たい」と2度寝することもありますが、そうするとスッキリ感は半減してしまいます。私の場合、5回目のレム睡眠時に目覚めるのが習慣になっているのです。でも、睡眠サイクルは人それぞれで、80分~120分と幅があるそうなので、それを考慮しながらいろいろ試してみて、自分のベストな入眠と目覚めを探してみてください。

「夜型だから朝は弱いの」と思っていた人も、サイクルを考えて目覚めると清々しい朝が迎えられるかもしれませんね。







次回も睡眠についてUPします